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白内障の原因について
白内障の種類とその原因
白内障の原因
白内障は何らかの原因によって水晶体が濁る病気です。水晶体はレンズのような働きをしており、水晶体が光を集めて眼底の網膜に反射することで捉えている物体などの像を結び、物が見えるのです。
この水晶体が白く濁ってしまうと、集まった光が乱反射して網膜に鮮明な像を映し出せなくなり、物がかすんで見えるなどの視力低下を引き起こします。
加齢性白内障(老人性白内障)
白内障を発症する方のほとんどが、この加齢性白内障です。水晶体が焦点を合わせる働きは加齢とともに衰えていきますし、水晶体を構成しているタンパク質も加齢と共に変化して白く濁っていきます。
タンパク質の変化は、血液の酸化(サビ)が原因だと言われています。
つまり加齢性白内障は誰にでも発症する可能性がある病気です。
発症率は年齢と共に上がっていき、80歳代になるとほとんどの方がなんらかの白内障になっています。
先天性白内障
水晶体が混濁しはじめる時期が、出生直後、出生後早く、1歳を過ぎた頃、思春期を迎えてからとばらつきがある疾患です。
原因は、母胎が妊娠3ヶ月頃までにウイルス感染して胎児に影響を及ぼすウイルスの子宮内感染や、代謝性疾患、染色体異常、母体疾患などとされています。
ステロイド白内障
ステロイドは、副腎皮質ホルモン剤です。ステロイドを長年にわたって、大量に使用すると白内障の発症率を上げます。特に眼の周りの皮膚は薄くて薬剤の吸収率が高いため、ステロイドを使う場合には短期間の使用にとどめるなど注意が必要です。
軟膏やクリームなどにステロイドが含まれている場合もありますが、手足への使用でしたらそれほど神経質になる必要はありません。
外傷性白内障
ボールがぶつかったなどの外傷によって水晶体が傷付いたことを原因とする白内障です。ボクシングなどの激しい打撃で白内障になることもありますが、眼窩に入るサイズのボールは水晶体に衝撃を与えやすく、ゴルフボールやバドミントンのシャトル、卓球の球などによる外傷が多くなっています。
スポーツ以外ですと、金属片が目に入ったり、刃物などで水晶体が傷付いたことで外傷性白内障になるケースもあります。
糖尿病白内障
糖尿病が原因になる白内障には、真性糖尿病白内障と仮性糖尿病白内障があります。真性糖尿病白内障は急激に進行する白内障で、原因は高血糖であり、比較的若い世代が発症します。仮性糖尿病白内障は、加齢性白内障と糖尿病が合併しているものです。
詳しいメカニズムは明確になっていませんが、血糖値の高い血液が眼球内の房水を酸化させ、房水から栄養をとり入れている水晶体も酸化しやすくなると考えられています。他にも、ポリオール代謝経路の亢進や終末糖化産物の蓄積など糖尿病による様々な要因が相互に作用している可能性が指摘されています。
アトピーによる白内障
アトピー性皮膚炎の合併症としての白内障です。アトピー症状が身体にだけ現れる場合より、顔に現れる場合に合併することが多く、アトピー治療が長期になるとリスクが高まります。アトピー性皮膚炎に白内障が合併する原因はまだわかっていません。治療でステロイド軟膏を眼の周りなどに塗る場合は、ステロイド白内障のリスクも高まるため注意が必要です。
活性酸素の増加がアトピー性皮膚炎に関与している可能性が指摘されていることから、血液中の活性酸素を減らす効果のある高濃度ビタミンCはアトピー性皮膚炎の治療だけでなく、アトピーによる白内障の予防にも役立つのではないかと期待されています。